犯罪心理学的風景

−仔猫の遊び場・別館−
RSS1.0 ATOM3.0
スポンサーサイト
この広告は60日以上更新がないブログに表示されております。
新しい記事を書くことで広告を消すことができます。
| - | | - | - |
犯罪者の身体的特徴

えらくお久しぶりです。
前回のエントリーを見たら、2007年5月でした。 
実に4年半ぶりということになります。
ご無沙汰していてすみません。

今はもうしがない会社員となって、心理学とは遠く離れてしまいましたが、
やはり好きで学んでいた学問。
少しでも触れていたい。
ということで、今回はリハビリを兼ねて、犯罪心理学の基礎知識について書いていこうかと思います。

で、今回のタイトルが『犯罪者の身体的特徴』。
これだけ聞くと、「犯罪者特有の身体的特徴なんて本当にあるのか!?」なんてびっくりする方もいるかもしれません。
しかしこれは大真面目な話。
犯罪心理学の歴史を紐解くと、必ず最初に出てくる「生来性犯罪説」という考え方が今回のお題です。

昔々、今から135年前のこと。
イタリアにロンブローゾという法医学者がいらっしゃいました。

ロンブローゾさん、日々の仕事の中で「ひょっとして、犯罪者って自分と何か違った特徴があるんじゃないか?」ということを考え始めました。
で、何を始めたかというと、法医学の立場から犯罪者の身体的な特徴を観察したり、犯罪者を解剖してみたりして、共通の特徴はないかと調べることにしました。

その結果が1876年に出版された、『犯罪人』です。
この本の中でロンブローゾさんは犯罪者の身体的特徴はこうだ!といっています。

  • 小さな脳
  • 厚い頭蓋骨
  • 大きな顎
  • 狭い額
  • 大きな耳
  • 異常な歯並び
  • 鷲鼻
  • 長い腕

ロンブローゾさんは以上の身体的特徴から

「犯罪者は野蛮人の「先祖返り」した者、あるいは退化した者である」

と結論付けています。

……いやあ、今の常識で考えたら、それはないでしょう、てくらい偏見な気がする上に、
オチとしてロンブローゾさん自身の脳の大きさは平均以下でした、なんて話があるのですが、実に単純明快な説です。
この説が「生来性犯罪説」といわれ、当時としては画期的な説として有名になりました。
これが後の「犯罪人類学」となっていくわけです。

ちなみに、当然ですが「生来性犯罪説」は現在では否定されています。
これだけで説明できたら、犯罪防止も簡単なんですけどねえ……。
実際は、上記要因以外にも様々な要因が複雑に絡み合って犯罪につながっているからこそ、犯罪はなくならないわけですし。

しかし。
ロンブローゾさんのしたことは、決して無駄なことではありません。
「生来性犯罪説」が犯罪心理学のスタートともいわれています。
何せちゃんと実証的に犯罪者の研究を初めてしたのですから。

ここからさらに、犯罪者の遺伝子やら家系やらの研究が進んでいくわけですが、
この辺はまた次の時に、ということで。
| 犯罪心理学基礎知識 | 01:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
交通事故の要因−人的要因について
過去3回のエントリで、統計的視点から交通事故を見てきました。
これで大体の数字を抑えたところで、交通事故がどうして起こるのかについて考えていこうと思います。

交通事故の要因は、大きく分けて3つに分けられるといわれています。

1.物(自動車、バイク、自転車、歩行者など)
2.人間(認知、決定、判断、操作など)
3.環境(道路構造、環境構造物、視界・景観・天候など)

この中でも特に重要なのは、やはり人間、つまり人的要因でしょう。
人間による交通事故の直接の原因として考えられるのは、「人体変化による要因」、「認知の遅れ」、「意思判断・決定誤り」、「運転操作(行為)誤り」などがあげられます。
それをまとめたのが、次の図です。


(交通事故調査鑑定綾田成樹事務所ホームページより抜粋)

もっとも事故の原因となっている「安全運転義務違反」はこれでいえば「運転操作(行為)誤り」に該当しますし、飲酒運転なら「人体変化による要因」ですね。

人の内面的な要因については、中部管区警察局金沢高速道路管理室が平成15年に行った分析があります。
それが下の表になります。

要因具体的な行為結果
油断
と思われるもの
脇見車内カーナビ・CD・カーステレオ・携帯電話
たばこ・ライター・お菓子・ジュース類など
前方不注視

安全不確認
車外風景などに
雑談同乗者との雑談に夢中になる
考え事に陥る家庭・職場……仕事・人間関係など
気の緩み居眠り
焦り
と思われるもの
速度の出し過ぎ急ハンドル

急ブレーキ
ハンドル・ブレーキ操作の誤り
無理な進路変更
車間距離不保持
おごり
と思われるもの
速度の出し過ぎ急ハンドル

急ブレーキ
車間距離不保持
ハンドル・ブレーキ操作の誤り


平成15年1月から10月までに起きた交通事故1031件について調査した結果、要因はこのような表に分類されました。
この表の結果と平成18年度中の事故でもっとも多かったのが「安全不確認」ということを考えると、交通事故の最大の要因は「油断」といえます。

そう考えると、警察が日頃行ってる交通安全の啓蒙活動は、実は一番交通事故を防いでるともいえますね。
啓蒙活動により、「自分に限って」という意識は減りますからね。
警察がやっていることって、実は結構有効なことだったりするんですね。
| 犯罪統計 | 23:11 | comments(5) | trackbacks(0) |
交通事故の要因−飲酒運転を統計から見てみる
というわけで。
引き続き、交通事故について。
飲酒運転について前回に引き続き『平成18年中の交通事故の発生状況』から見ていきたいと思います。

ではまず、飲酒運転による交通事故件数の推移のグラフから見ていきましょう。


(『平成18年中の交通事故の発生状況』より。クリックすると拡大された画像が別ウィンドウで表示されます。)

グラフを見ると、平成14年から大きく減少傾向にあるのがわかると思います。
平成14年が例の「改正道路交通法」が施行された年です。
また、「危険運転致死罪」が制定されたのが平成13年。
だいたいこのあたりから世論が飲酒運転にたいして厳罰化傾向になった頃ですね。
その効果もあって、確かに減少傾向になっていることは明らかです。

このこと自体はよいことなのですが、ここで気になるのは、前回のエントリで出ていた「安全不確認」と飲酒運転、どちらのほうが多いのでしょうか。
これだけ騒がれている飲酒運転、結構数がありそうな感じがします。
平成18年では1万1625件が飲酒運転による事故でした。
では、「安全不確認」は、というと26万1217件です。
いやはやケタ違ってました。
ちなみに「脇見運転」でも14万519件ありますので、実は飲酒運転って交通事故では特に多い部類というわけでもなさそうです。

とはいっても、もしかしたら飲酒運転は死亡事故が多いのかもしれません。
それなら悪質ですから、厳しくすることには多少なりとも意味があります。
死亡事故についてもきちんと数字が出ていますので、見ていきましょう。


(『平成18年中の交通事故の発生状況』より作成。クリックすると拡大された画像が別ウィンドウで表示されます。)

というわけで、交通事故件数全体に対する法令違反別交通事故・死亡事故件数の割合をグラフにしてみました。
このグラフを見ると、飲酒運転が突出して死亡事故が多いというわけではなさそうです。
全体の10.8%、実数にして611件です。
脇見運転や漫然運転のほうが件数的には多いですね。
この2つはそれぞれともに全体の14.7%、実数にして835件です。
ただ、交通事故件数に対して、死亡事故件数はやはり飲酒運転は多いように見えます。

ということで。
死亡事故件数÷交通事故件数×100 で求めた、死亡事故率というものがありますが、こちらで見てみましょう。


(『平成18年中の交通事故の発生状況』より作成)

こうしてみて見ると、死亡事故率が最も高いのが最高速度違反、ついで飲酒運転ということがわかります。
つまり、他の法令違反に比べて、死亡事故になってしまう確率が高い、ということはいえそうです。

とはいっても。
死亡事故が一番多いのは、脇見運転と漫然運転、つまり安全運転義務違反です。
飲酒運転を厳罰化しろ、というなら、安全運転義務違反も厳罰化しないとおかしな話になりそうな気がするのですが、どうなのでしょうか。
死亡事故率でいえば、最高速度違反も厳罰化ですかね。
それで果たして効果があるかどうかは疑問ですが。

マスコミ報道や世間一般で考えられていることと統計では若干違いがあります。
飲酒運転ばかりに気を取られていてはいけない、ということでしょうか。

さて、交通事故についてはあともう1回、交通事故の要因について、統計以外の視点からもう少し掘り下げようかと思います。
あと1回、お付き合いくださいませ。
| 犯罪統計 | 02:34 | comments(6) | trackbacks(0) |
+ CALENDAR
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< April 2012 >>

+ NEW ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ RECENT TRACKBACK
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ twitter
Twitterボタン
更新情報配信中!
+ MAIN SITE
+ PROFILE
+ MAIL FORM

+ RECOMMEND
+ RECOMMEND
+ RECOMMEND
+ RECOMMEND
+ RECOMMEND
+ RECOMMEND
+ AFFILIATE
みんなのブログポータル JUGEM