というわけで。
引き続き、交通事故について。
飲酒運転について前回に引き続き『平成18年中の交通事故の発生状況』から見ていきたいと思います。
ではまず、飲酒運転による交通事故件数の推移のグラフから見ていきましょう。

(『平成18年中の交通事故の発生状況』より。クリックすると拡大された画像が別ウィンドウで表示されます。)
グラフを見ると、平成14年から大きく減少傾向にあるのがわかると思います。
平成14年が例の「改正道路交通法」が施行された年です。
また、「危険運転致死罪」が制定されたのが平成13年。
だいたいこのあたりから世論が飲酒運転にたいして厳罰化傾向になった頃ですね。
その効果もあって、確かに減少傾向になっていることは明らかです。
このこと自体はよいことなのですが、ここで気になるのは、
前回のエントリで出ていた「安全不確認」と飲酒運転、どちらのほうが多いのでしょうか。
これだけ騒がれている飲酒運転、結構数がありそうな感じがします。
平成18年では1万1625件が飲酒運転による事故でした。
では、「安全不確認」は、というと26万1217件です。
いやはやケタ違ってました。
ちなみに「脇見運転」でも14万519件ありますので、実は飲酒運転って交通事故では特に多い部類というわけでもなさそうです。
とはいっても、もしかしたら飲酒運転は死亡事故が多いのかもしれません。
それなら悪質ですから、厳しくすることには多少なりとも意味があります。
死亡事故についてもきちんと数字が出ていますので、見ていきましょう。

(『平成18年中の交通事故の発生状況』より作成。クリックすると拡大された画像が別ウィンドウで表示されます。)
というわけで、交通事故件数全体に対する法令違反別交通事故・死亡事故件数の割合をグラフにしてみました。
このグラフを見ると、飲酒運転が突出して死亡事故が多いというわけではなさそうです。
全体の10.8%、実数にして611件です。
脇見運転や漫然運転のほうが件数的には多いですね。
この2つはそれぞれともに全体の14.7%、実数にして835件です。
ただ、交通事故件数に対して、死亡事故件数はやはり飲酒運転は多いように見えます。
ということで。
死亡事故件数÷交通事故件数×100 で求めた、死亡事故率というものがありますが、こちらで見てみましょう。

(『平成18年中の交通事故の発生状況』より作成)
こうしてみて見ると、死亡事故率が最も高いのが最高速度違反、ついで飲酒運転ということがわかります。
つまり、他の法令違反に比べて、死亡事故になってしまう確率が高い、ということはいえそうです。
とはいっても。
死亡事故が一番多いのは、脇見運転と漫然運転、つまり安全運転義務違反です。
飲酒運転を厳罰化しろ、というなら、安全運転義務違反も厳罰化しないとおかしな話になりそうな気がするのですが、どうなのでしょうか。
死亡事故率でいえば、最高速度違反も厳罰化ですかね。
それで果たして効果があるかどうかは疑問ですが。
マスコミ報道や世間一般で考えられていることと統計では若干違いがあります。
飲酒運転ばかりに気を取られていてはいけない、ということでしょうか。
さて、交通事故についてはあともう1回、交通事故の要因について、統計以外の視点からもう少し掘り下げようかと思います。
あと1回、お付き合いくださいませ。