犯罪心理学的風景

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犯罪者の処遇のいろいろ
「処遇」という言葉が今まで何度も出てきましたが、犯罪関係においてこの言葉を使うときは、犯罪者にどのような措置を施すか、ということになります。

まずは、処遇の流れを見てみましょう。
検察庁のホームページに成人犯罪者の処遇の流れ図が出ていますので、それを見てみましょう。


(検察庁ホームページより)

日本においては、成人犯罪者の場合、このような流れで処遇が施されています。
(少年の処遇については『少年非行の扱い』『「少年鑑別所」と「少年院」』のエントリーを参照のこと。)

「処遇」といってすぐに思い浮かぶのは、おそらく刑務所でしょう。
流れ図にも出ているように、裁判で実刑判決を受けた場合、刑務所に入所することになります。

日本においては、分類処遇制度で分類した上で刑務所に収容しています。
この分類(収容分類級と呼ばれます)に基づいて、受刑者個人に合った、より適切な処遇を施すことになります。

ちなみに収容分類級は

<犯罪傾向の進度による分類>
  • A級(初犯:犯罪傾向が進んでいない者)
  • B級(累犯および暴力団構成員:犯罪傾向が進んでいる者)

<性、国籍、刑名、年齢及び刑期などによる分類>
  • W級(女子)
  • F級(日本人と異なる処遇を必要とする外国人)
  • I級(禁錮に処せられた者)
  • J級(少年)
  • L級(執行刑期8年以上の者)
  • Y級(26歳未満の成人)
  • M級(精神障害者)
  • P級(身体上の疾患または障害のある者)

に分けられています。
この収容分類級に基づいて、たとえばJ級であれば、少年しかいない少年刑務所へ、M級であれば医療スタッフのいる医療刑務所へ収容されるわけです。

このように受刑者が細かく分類されているのは世界でもまれです。
日本の場合、刑罰に教育的な意味合いも含めているため、このように細かく分類し、より適切な矯正を行えるようにしているのです。

また、日本では累進処遇制度というものも設けられています。
累進処遇制度とは、処遇の段階を4つに分け、最初は最下級に属させ、処遇が進むにつれて階級を上げていくという制度です。
階級が上がるにつれて、社会生活に近い処遇が与えられるようになります。
これによって、社会への復帰を促進したり、受刑者のやる気を増進させたりしています。

以上が刑務所における処遇のお話です。
刑務所における処遇は「施設内処遇」と呼ばれています。
処遇はこのほかに「社会内処遇」と呼ばれるものがあります。
処遇の流れ図の中で「保護観察所」となっているところが行っているもので、つまりは「保護観察」と呼ばれるものです。

保護観察とは、保護観察中に守らなければならないと定められた事柄(遵守事項)を遵守するよう、対象者を国家公務員である保護監察官と地域のボランティアの保護司が協力して指導、観察することで、遵守事項さえ守れば、それ以外は普通に社会で生活することができます。

ちなみに遵守事項とは、犯罪者更正予防法という法律で定められているもので、たとえば引越しや旅行をするのに保護監察官の許可が必要だったり、犯罪性がある者との交際を禁じたりしています。

保護観察は、
  • 家庭裁判所の決定で保護観察に付された少年
  • 少年院に収容され、一定期間教育を受けた後、仮退院を許された少年
  • 懲役や禁錮刑を科せられて刑務所に収容され、刑期満了前に仮出獄を許された人
  • 裁判所で刑の執行を猶予され,その期間中保護観察に付された人
  • 補導処分に付され、婦人補導院から仮退院を許された人
が受けるものです。
ただ、「補導処分に付され、婦人補導院から仮退院を許された人」はここ数年対象者がいないので、実質4種類の人が保護観察の対象となってます。

刑務所のような社会から隔離された状態においてしまうと、刑務所特有の文化に染まってしまい、いざ社会に戻ったとき、社会にうまく適応できず、結果として再び犯罪にいたってしまう可能性があります。
その欠点を補うため、改善更正を社会の中で行おうということで考えられた処遇が保護観察です。
また、軽微な犯罪をした人まで刑務所に入れてしまうと、刑務所の数がたりなくなってしまうため、あまり犯罪傾向が進んでいない人に対しては保護観察にしている、という実情もあります。

ただし、保護観察にも問題点はあります。
保護観察期間中に所在が不明になってしまい、その間に再び犯罪をしてしまうということがたびたび起こります。
また、保護観察の効果がまったくないのではないかという議論もあります。
犯罪者の処遇を担当している法務省のほうでも、現在、改善のためにいろいろと模索しているというのが現状です。

「処遇」というと、責任をとらせるためや見せしめのためという、「刑罰」ばかり目がいってしまいますが、犯罪をなくしていくためには、再犯を減らすための教育、つまり「矯正」も必要なものといえます。
そのため、日本の処遇制度は、「施設内処遇」であれ、「社会内処遇」であれ、「刑罰」だけでなく、「矯正」の意味合いも多分に含んでいるというわけです。
| 犯罪心理学基礎知識 | 17:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
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